マニュアルフォーカスが与えてくれるもの。

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HASSELBLAD 203FE / Planar FE110mm / kodak 160NC

娘も二足歩行が可能になって、こうしてかわいらしい靴を履けるくらいに成長しました。
立てよ歩めの親心。ぽてぽて歩きながらこっちに寄ってくる子どもが可愛くない親はいません。
しかし、こうなると、マニュアルフォーカスは大変もどかしい。ピント合った!と思ったら
次の瞬間にはもうそこにはいない。動いた先にフレーミングし直してまたピントを合わせてみるも、
赤いモビルスーツのようにするりするりとピントを外して動き回ります。
ああ、もどかしいったらありゃしない。

だけどマニュアルフォーカスがやめられないのは、自分の見てるもの、自分の見たいもの、
心を動かされたものが何なのかを意識させてくれるからです。
ヘリコイドを回している時間は自分の主観を自問自答する時間です。
自分の中で腑に落ちたら、頭の中ではすでに写真が焼き上がっていて、あとはシャッターを切るだけです。
マニュアルフォーカスは、単に被写体に焦点距離を合わせる作業ではなく
自分自身にピントを合わせて明らかにする、そんな時間を撮る人に与えてくれます。

ハッセルブラッドをかまえた僕は、もどかしさにイライラしながらも
ワクワクしながら愛する被写体へのピントを追いかけ続けます。

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